ちょっとしたことですが、知っているのと知らないのとでは雲泥の差です。楽に求められますし、一行で書けるので見通しが立ちやすくなります。一般的な解法を先に書いて比較していますが、裏技解法だけを見てもよいです。
傾きと通る点が与えられている場合
傾きが 2 で点 (1,3) を通る直線の式を求めよ。
一般的な解法
傾きが 2 なので、求める直線の式は y=2x+b と置けます。そこに通る点を代入して求めますが、y=2x+b と置いたところで傾き 2 の直線が彷徨っているイメージを持てるとよいです。この図のようです。
彷徨っている y=2x+b が点 (1,3) を探しているイメージです。そしてその点が見つかったら、「ここだ!」という感じです。
これは式では y=2x+b に (1,3) を代入して b を求めることを意味します。
よって解答は次のように書けます。
[解答]
求める式は y=2x+b と置ける。点 (1,3) を通ることからこの式に代入すると、
3=2⋅1+b
よって、
b=1
ゆえに、
y=2x+1
といった具合です。ステップが多い分、ややこしく感じます。次に、一行で書ける方法を見てみます。
裏技解法:一行で書く
イメージは下図のような感じです。
最後のコマの、数字が色づいている状態が注目点で、
- 傾きの 2
- 通る点の x 座標の 1
- 通る点の y 座標の 3
のそれぞれの情報を使って直線の式が一行で書けます。
なぜこれで全ての情報を盛り込めているのかを理解しましょう。
まず、傾きの 2 は、x の係数が 2 になっているので確かに盛り込めています。
そして、点 (1,3) を通ることは、y=2(x−1)+3 の x に 1 を、y に 3 を入れて成り立つことを見ればよいですが、確かに成り立っています。実際に代入すれば、
3=2(1−1)+3
ですので。
従って、確かに y=2(x−1)+3 が求める直線の式であることが分かります。

[解答]
求める直線の式は、傾きが 2 で点 (1,3) を通ることから、
y=2(x−1)+3
と書ける。すなわち、
y=2x+1
といった具合です。え、2行ではないか、ですって? ま、そうですね。2行です。でも、式(1)で既に直線の式は書けているので、それを以て1行と表現したいと思います。
通る2点が与えられている場合
この場合は2点から傾きを求めることで、先ほどの1行技が使えます。
2点 (−1,−1),(1,3) を通る直線の式を求めよ。
一般的な解法
直線の式を y=ax+b と置き、そこに通る点を代入して求めます。従って、
[解答]
求める式を y=ax+b と置くと、点 (−1,−1) を通ることから、
−1=−a+b
また、点 (1,3) を通ることから、
3=a+b
この両者の連立方程式解けばよい。(1),(2)より a=2,b=1。ゆえに、
y=2x+1
計算ミスを防ぐため検算をしましょう。それは、この求めた直線の式 y=2x+1 に通る2点 (−1,−1),(1,3) の両方ともが、代入して成り立つことを確かめます。
裏技解法:一行で書く

まず傾きを求めます。点 (−1,−1),(1,3) を通ることから傾きは 2 ですが、このとき、必ず左図のような絵を書くようにしましょう。傾きが求められないという人に限って、絵を書いていません。
よって求める直線の式は、
y=2(x−1)+3
これはもちろん、点 (−1,−1) の方を用いて、
y=2(x+1)−1
と書いてもよいです。どちらにしろ、
y=2x+1
を得ます。
これも、式(4)で以て一行で書けていると表現したいと思います。この方法の場合、傾きを求めるのに一工程費やしますが、それさえできれば一行で書けます。傾きを求めるのが面倒だと感じるかもしれませんが、それは絵を書かないからです。絵を書けば、あるいは絵を書くのに慣れれば面倒なく傾きは求められるようになりますので、それまでは面倒がらずに必ず絵を書くようにしましょう。
傾きさえ求められれば直線の式は一行で書ける。
まとめ
直線の式を一行で書く裏技を紹介しました。これをマスターすれば見通しが格段に良くなります。特にややこしい数字で出題されているときに、より威力を発揮します。傾きを求めるのが面倒だと感じる方は絵を書いていないからです。絵を書くことはこの先どんな問題を解くにしても必要なスキルなので、面倒がらない習慣を早めに会得した方がよいです。
コメント