連立方程式は計算が多く、苦手というよりも面倒くさいと感じる人が多いのではないでしょうか。そんな中でも少しでも工夫をして楽に解ければライバルに差をつけることができます。
カタマリをうまく使う
次の連立方程式を解け。
{4(x−1)−3(y+2)=14⋯①2(x+1)+3(y+2)=2⋯②
せっかくカタマリになっているので、展開してしまってはもったいないです。
解
①+②より
4(x−1)+2(x+1)=166x−2=166x=18x=3
これを②に代入して、
2(3+1)+3(y+2)=28+3(y+2)=23(y+2)=−6y+2=−2y=−4
解説
展開してはもったいない
3(y+2) というのがカタマリとして見えますか? 教科書によってはこのカタマリをより意識させるために別の文字、例えば Y とか、に置き換えたりしますが、置き換えるまでもなくカタマリとして捉えて処理しましょう。
楽な方に代入する
x を求めた後、それを①か②に代入して y を求めますが、②に代入しました。①に代入してももちろん解けますが、②を選んだ理由はその方が数字が小さいことと、y の係数が正のためです。y の係数が負だと、両辺を −1 しなければならず、もちろんそうすればよいだけなのですが、ミスの元なのでなるべくリスクを減らしたいです。
展開を後回しにする
また、y を求める際にもできるだけ展開を後に回すことで、計算を少し楽にしています。
8+3(y+2)=2
のあと展開せずに
3(y+2)=−6
としているところです。
確認
WolframAlphaで確認します。左のリンクを押すと下記↓のサイトに飛びます。このサイトは様々な計算を行ってくれる計算機です。グラフまで書いてくれるので、数学のイメージづくりに最適です。ぜひ活用するとよいでしょう。

代入ではなく足してすっきり
次の連立方程式を解け。
{x2+23y=4⋯①y=x2+1⋯②
解
①+②より
x2+23y+y=4+x2+153y=5y=3
これを②に代入して
3=x2+1x=4
解説
通常なら②が y=⋯ の形をしているので、これを①に代入したくなります。もちろんそれでも大丈夫です。その場合は次のような感じになります。
x2+23(x2+1)=4x2+x3+23=456x=103x=4
しかしこれだと分数の計算も多く、少し計算がややこしいです。それに比べ、①と②の x の項が左右に同じだけあることに気づくと、足し算して消えることに気づきます。そうすれば計算が楽になります。
確認
WolframAlphaで確認します。

掛けるのではなく足してすっきり
その1
次の連立方程式を解け。
{3x+2y=−9⋯①5x−4y=7⋯②
解
①+②より
8x−2y=−2⋯③
①+③より
11x=−11x=−1
これを①に代入して
3(−1)+2y=−92y=−6y=−3
解説
通常なら ①×2 をして③を作り、②+③をすると思います。下記のように。
{3x+2y=−9⋯①5x−4y=7⋯②
①×2 より
6x+4y=−18⋯③
②+③より
11x=−11x=−1
それでももちろんよいのですが、①+②としてもよいです。この方が数字が若干ですが小さいのでやりやすいですね。
確認
WolframAlphaで確認します。

その2
次の連立方程式を解け。
{4x+3y=5⋯①3x−2y=8⋯②
解
①+②より
7x+y=13⋯③
③×2 より
14x+2y=26⋯③′
②+③′ より
17x=34x=2
これを①に代入して
4×2+3y=53y=5−83y=−3y=−1
解説
通常なら①×2, ②×3 して足します。
{4x+3y=5⋯①3x−2y=8⋯②
①×2 より、8x+6y=10⋯①′
②×3 より、9x−6y=24⋯②′
①′+②′ より、
17x=34x=2
という具合に。これでももちろん良いですが、①+② をしてもよいです。こうすると y の係数が 1 になるので、扱いが少し楽です。
確認
WolframAlphaで確認します。

まとめ
連立方程式は計算が多く、苦手というよりも面倒くさいと感じる人が多いのではないでしょうか。そんな中でも少しでも工夫をして楽に解ければライバルに差をつけることができます。
また合わせて WolframAlpha というWeb計算機を紹介しました。これに連立方程式を入力すれば、その答えを求めてくれることはもちろん、グラフまで書いてくれます。連立方程式の解はグラフの交点であり、そのことを毎回意識・認識することができ、より数学的感性が高まります。
なお、「連立方程式はグラフの交点」は下記の記事↓で詳しく扱っています。
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