問題1:22年 帝塚山学院泉ヶ丘
(1) EG:GF を求めよ。
(2) △CHF と台形 BCGE の面積比を求めよ。
(3) EJ:JD を求めよ。
(4) △CHF と △AIJ の面積比を求めよ。

(1) EG:GF を求めよ。
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比例で内分していくイメージを持てば、目の子で長さは求められます。
この記事↓の「直接に目の子で捉える」も参照ください。
解. EG:GF を求めよ。

図より、
EG:GF=3:(3×25)=5:2
(2) △CHF と台形 BCGE の面積比を求めよ。
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(1)より EG:GF=3:65 ですが、その GF が成長して CH になるイメージを持てると見通しがよいです。
解. △CHF と台形 BCGE の面積比を求めよ。
△AGF∽△ACH で相似比が 3:5 であるから、
GF:CH=3:5=65:2

ここでの目的は
△CHF と台形 BCGE の面積比を求める
ことだが、その両者は高さが同じであることに注意すると、台形 BCGE を2つの三角形 △BGE と △GBC に分割して考えることにより、
△CHF と台形 BCGE の面積比
は、その底辺の長さの比となることから、
CH:(EG+BC)105:(3+5)∴1:4
となる。

(3) EJ:JD を求めよ。
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蝶々型三角形が見えれば何の問題もなく解けます。
蝶々型三角形の復習はこちら↓。
解. EJ:JD を求めよ。
△JEF∽△JDAEF:DA=(3+65):3=215:3=7:5
より、
EJ:JD=7:5

(4) △CHF と △AIJ の面積比を求めよ。
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(4)は少し道のりが長いです。まずは一気通貫で見つつも、後に「解説」にて細かく分けながらイメージをつけていきます。
ポイントは、△CHF と △AIJ の面積を台形 ABCD の面積の比で表すことです。
一気通貫
解
△ADI∽△GEI で AD=EG より相似比は 1:1。つまり、
EI:ID=1:1
これと、(3)で求めた
EJ:JD=7:5
とから、
EI:IJ:JD=6:1:5

よって、

また、

ゆえに、
△AIJ△CHF=台形ABCD×38×35×112台形ABCD×58×1625×14=38×3⋅15×131458×165⋅15×14=316
解説:細かく分けながらイメージをつかむ
EI:IJ:JD を求める
(3)の問題で EJ:JD を求めていますので、あとは EI:ID が求まれば EI:IJ:JD は求まります。そのための蝶々型相似が見えればOKです。
EI:ID=1:1 が判明した後、ではどうやって EI:IJ:JD を求めればよいでしょうか。できれば、じっとにらんで EI:IJ:JD=6:1:5 を見つけたいものです。この辺りを立式すると返って訳が分からなくなります。
△AIJ を台形 ABCD の面積比で表す
このために、
- #1: △AIJ を △AED の面積比で表す
- #2: さらに拡大して △ABD との面積比で表す
- #3: さらに拡大して台形 ABCD の面積まで持っていく
- #4: △AIJ を台形 ABCD の面積比で表せた
まであります。
#1: △AIJ を △AED の面積比で表す
△AIJ と △AED は高さが同じなので面積比は底辺比です。
△AIJ=△AED×16+1+5=△AED×112

#2: さらに拡大して △ABD との面積比で表す
△AED と △ABD は高さが同じなので面積比は底辺比です。
△AED=△ABD×33+2=△ABD×35

#3: さらに拡大して台形 ABCD の面積まで持っていく
△ABD と △DBC は高さが共通の三角形なので、面積比は底辺比です。
△ABD=台形ABCD×33+5=台形ABCD×38

#4: △AIJ を台形 ABCD の面積比で表せた
以上より、
△AIJ=台形ABCD×38×35×112
△CHF を台形 ABCD の面積比で表す
(2)よりすでに △CHF と台形 BCGE の面積比は 1:4 と分かっているので、△CHF を台形 ABCD の面積比で表すためには台形 BCGE を台形 ABCD の面積比で表せればよいです。

台形 BCGE を台形 ABCD の面積比で表すため、
- #1: 台形 BCGE を △ABC の面積比で表す
- #2: さらに拡大して台形 ABCD の面積まで持っていく
を行います。そうすることで、
- #3: △CHF を台形 ABCD の面積比で
表します。
#1: 台形 BCGE を △ABC の面積比で表す
△ABC∽△AEG で相似比が 3:5 なので、
△AEG の面積は △ABC の面積の (35)2 倍
です。面積比は相似比の2乗です。
従って、
台形BCGE=△ABC−△AEG=△ABC–△ABC×(35)2=△ABC(1−925)
です。

#2: さらに拡大して台形 ABCD の面積まで持っていく
△ABC と △ADC は高さが共通の三角形なので、面積比は底辺比です。
△ABC=台形ABCD×53+5=台形ABCD×58

#3: △CHF を台形 ABCD の面積比で表せた
以上より、
△CHF=台形ABCD×58×(1−925)×14
いよいよ △CHF と △AIJ の面積比を求める
△AIJ=台形ABCD×38×35×112△CHF=台形ABCD×58×(1−925)×14
より、
△AIJ△CHF=台形ABCD×38×35×112台形ABCD×58×1625×14=38×3⋅15×131458×165⋅15×14=316
まとめ
台形型相似を中心に据えた入試問題を持ってきました。台形型相似で辺の長さを求め、その上で面積比を求める、というのが定番です。
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