二等辺三角形シリーズでは、二等辺三角形を疑うべきケースという切り口から整理しました。#1では直角三角形から円が見える発想を、#2では同じ直角三角形から二等辺三角形を、#3では平行線に向かって伸びている角の二等分線を扱いました。この#4の本稿では外角に着目することで二等辺三角形を発見する発想を身につけます。
#1
#2
#3
問題1. 直角三角形と角の二等分線 その1
?の長さを求めよ。

この図形を見たとき、なんか △ABE が怪しい、二等辺三角形っぽい、と感じた人はいいセンスをしています。そのまま勘で進んでしまうのは良くないですが、勘を起点にして考えていくのはGOODです。そうすると、△BAE と △BEA が同じであることが言えればよく、そこで今回のテーマである「外角の定理」の引き出しにピンときます。
このようなセンスを働かせるためにも、磨くためにも、問題文の図はずさんに書かない方がよいです。
解
イメージ
解
△BDA と △BAC において、∠B 共通かつ ∠BDA=∠BAC より
△BDA∽△BAC
つまり、
∠BAD=∠BCA(=xと置く)

次に、外角の定理より
∠BEA=∠BCA+∠CAE(=xo)

ここで、題意より
∠CAE=∠DAE(=o)
であるから、
(xo=)∠BAE=∠BEA
となり、つまり
△BAE は二等辺三角形

ゆえに、
BA=BE=10
問題2. 直角三角形と角の二等分線 その2
?の長さを求めよ。

この図形は実は直前の問題4-1と同じです。既知の場所と求める場所を変えました。
解
イメージ
解
∠B 共通かつ ∠BDA=∠BAC より
△BDA∽△BAC
∠C 共通かつ ∠CDA=∠CAB より
△CDA∽△CAB
つまり、
∠BAD=∠BCA(=xと置く)
∠CAD=∠CBA=oo

次に、外角の定理より
∠AFB=∠ACB+∠CBF=xo
∠FGA=∠FBA+∠BAG=xo

∠AFG=∠AGF より、
△AFG は二等辺三角形

ゆえに、
AG=AF=2√5
問題3. 問題1と2が合体して難易度倍増
?の長さを求めよ。

これも問題4-1, 4-2と同じ図形です。両方の問題をつなげて解く問題にすることで難しさが極端に上がります。逆に言えば、分割してしっかりとイメージできれば、ただつなげただけということに気づくことができます。
ここではその見通しをよくするために、問題4-1, 4-2を利用する形で解を書きます。
解
問題4-1の結果を用いると、
AB=10

△ABC に三平方の定理を適用して、
AC2=152−102=52(32−22)=52×5
AC>0 より、AC=5√5
題意より、∠ABF=∠CBF。つまり、
AF:FC=BA:BC=10:15=2:3
よって、AC=5√5 とから、
AF=2√5FC=3√5

ここで問題4-2の結果を用いると △AGF は二等辺三角形であるから、
AG=2√5

ここで、
△DAC∽△ABC
(∵∠DAC=∠ABC,∠ADC=∠BAC)
より、
DA:AB=AC:BCDA:10=5√5:15∴DA=10×5√515=10√53

ゆえに、
\begin{eqnarray} \mathrm{DG} &=& \mathrm{DA} – \mathrm{GA}\\ &=& \frac{10\sqrt{5}}{3}-2\sqrt{5}\\ &=& \frac{4\sqrt{5}}{3} \end{eqnarray}

まとめ
この二等辺三角形シリーズ4つを全て見れば、二等辺三角形を発想すべき問題の多くを解くことができると思います。加えて、角の二等分線から二等辺三角形を発想すべきケースもあり、↓にこれもシリーズとして3つまとめましたので、そちらも確認してみてください。
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